季節のお花
6月のお花
学生の練習風景が掲載されています
梅雨の季節、青い花が多く咲いています。庭で育った植物を中心に 茶花・いけばなを生けてみました。



額紫陽花 とくさ 撫子
暖竹 琵琶 紫陽花
縞葦 西洋木苺
紫陽花の中でも 額紫陽花、山紫陽花が茶花に好まれます。
繊維質が多く、昔は針や刃物を研いだ草・とくさ と合わせて生けました。
年の暮れに香ばしい花を咲かせた琵琶の木が実をつけました。暖竹の葉と合わせ、どこか文人趣味を感じさせる花を生けてみました。
庭に可愛らしい西洋木苺が赤い実をつけました。
縞の入った草の葦で 涼しさを表現 してみました。


かきつばた 雪柳 紫陽花 ぎぼし ふとい
小原流いけばなの最も特徴的な写景盛花自然本位の作品です。
手前に雪柳 紫陽花の野づらがあり、その奥には かきつばた ふとい おもだか等の水生植物に見立てた ぎぼし等が生える水辺の景観を表しています。
深山南天 桔梗 薄
小原流の投げ入れ花の作品です。
緑の美しい深山南天と薄の間に一輪の桔梗を配し、万緑の中の一枝の美しさを表してみました。
7月のお花
暑い時期なので、少しでも涼しげな花を、と思っていけました

ヒオウギ ・紫陽花
ヒオウギは あやめ科の植物で 葉が扇を広げたような姿をしています。またヒノキの薄い板で作った扇「檜扇」に似ていることから この名がついたといわれています。花が咲き終わると間もなく実をつけます。
ヒオウギの種は黒くつやがあり古くから(ぬばたま)と呼ばれてきました。このつややかな黒い種から 万葉集の中にも「夜・髪」などにかかる枕詞として用いられました。

ヒオウギ ・馬酔木・姫ひまわり・半夏生・玉しだ
丸い水盤にヒオウギを主材に色彩的な盛花を生けました。大阪では天神祭の時にこのヒオウギをいける風習が残っています。

姫唐菖蒲・桔梗・万作
姫唐菖蒲の花が庭に咲きました。万作の若葉を足元に桔梗の花を添えました。

鬼ゆり ・紫陽花 ・藪さんざし
鬼ゆりが咲きました。今年の正月に食べた百合根のしんを庭に植えたものが夏になって、ちょっと小ぶりな鬼ゆりが咲きまし た。

高砂芙蓉 ・縞葦
高砂芙蓉に縞葦を添えて涼しげに、近所の寿司屋さんにいけました。
しかし昼にしか見られない高砂芙蓉の花です。夜のお客さんは見れません。

かきつばた・ 半夏生 ・桔梗
夏至から11日目を半夏生といい、この時期に花を咲かせるのでこの名前がつきました。半夏生はこの花の時期にだけ 花のすぐ周りの葉が白くなるのが特徴です。
8月のお花
暑い日が続きます。ガラス器に花を飾るなどして、涼しさを心がけました。

芙蓉 ・藺草(いぐさ)」

藤空木・茗荷(みょうが)・えのころ草
秋に地面低くに花をつける茗荷。今回は葉を立てました。

ほうずき ・山の芋のつる
お土産にもらった和歌山県湯浅の手作り醤油の徳利に ほうずきをいけました。

琉球朝顔 ・ゴーヤ
我が家の庭に琉球朝顔の花が咲き、ゴーヤの実がなりました。我が家の庭は琉球模様。

深山南天 ・夏菊

百日紅(さるすべり)・棗(なつめ)・アスパラガス
猿も滑り落ちるという つるりとした木肌の百日紅の花に、初夏に芽を出す「夏芽」から名前がついたという棗の実を添えました。
茶入れの棗もこの実に形が似ているので、名付けられたそうです。

馬酔木(あせび)・向日葵(ひまわり)・縞葦(しまよし)
8月5日の恵風庵でのお稽古の時に生けました。
丸みをおびた変形花器に合わせていけています。

葦 ・くわい ・アジアンタム ・姫ひまわり ・日蔭のかずら
夏によくいける二輪菊をとり合わせています。
二輪菊は沢山の蕾をとってしまい、先端の姿の良い二輪だけを咲かせるそうです。
ガラス器にいけた水辺の景観です
9月のお花
早朝は涼しさを感じるようになりました。花の色も秋を感じさせてくれますし、洋種の山ごぼうの実は鮮やかに色づきました。さわやかな秋の訪れを感じていただけるよう心がけて生けました。

高砂芙蓉 金水引
秋が深まると “ひっつきむし”となる金水引も今は美しい姿で花を咲かせています。

ひおうぎ(実) 竜胆 孔雀菊
7月頃に朱色の花を飾るひおうぎも 今は実をつけました。10月頃には実は爆ぜて ぬばたま と呼ばれる光沢のある黒い種が秋の風情を感じさせてくれます。

野ばら(実) 山とりかぶと 山しだ
初夏に白い花を咲かせた野ばらも実をつけました。山とりかぶとが可憐な姿を見せています。

夏はぜ 竜胆 女郎花
小原流の 風景をいける花 写景盛花の作品です。夏はぜの茂みの下に秋草が群れ咲きます。

女郎花(おみなえし) 薄 萩 竜胆(りんどう)
アスパラガス・プルモーサス
秋の七草のうちの3種 萩 薄 女郎花を籠に飾りました。薄は尾花といわれる穂はまだ出ていません。今はさわやかな葉を挿しています。

洋種山ごぼう 竜胆
庭の山ごぼうが鮮やかな黒い実をつけました。実を強調して小さな銅の器に垂れさがらせました。

野ばら 木苺 竜胆
小原流の瓶花の作品です。一般的には投げ入れ花といわれます。文人的な趣向の花として 瓶花と呼んでいます。

とくさ 山とりかぶと 三島さいこ 山しだ 日蔭のかずら
左の作品と同じく写景盛花の作品です。山を歩く足元に ふと見える風景を思っていけました。
10月のお花
10月も後半、早朝は寒くさえ思われます。日本の秋に咲く花は、色 形は違えど、みな共通した風情を持っているように思います。

尾花 竜胆 ほととぎす
尾花は薄の穂の出ている時の呼び名です。竜胆は架空の動物である竜の胆ほど苦いとのことです。私は食べてみたことはありませんが・・・

紅かしわ ほととぎす 野ばらの実
ほととぎすの花にある赤紫の点々が鳥のホトトギスの胸にある柄に似ていることからこの名がついたそうです。紅かしわの葉にできた虫食いの跡が 秋の風情を醸し出します。


尾花 ほととぎす 竜胆 水引草 板や楓 つわぶき 蓼(たで)
コスモス ジャスミン ほととぎす
この季節の花7種 宗全籠に盛りました。

野ばら 白菊 ほととぎす
野ばらの木は沢山の刺を持ち、ほかの植物に絡みつくように生えています。その枝ぶりと赤くなった実が野趣を感じさせてくれます。
可憐なコスモスの花と流れるようなジャスミンの蔓性の枝の特徴を生かすようお洒落なアーチの器にいけました。

藤づる アガベ(リュウゼツラン) モンステラ
ドラセナ・インディアンソング アスパラガス・プルモーサス
この10月に心斎橋の大丸百貨店で行われた大阪府花道家協会のいけばな展に出品した作品です。私がイメージした心象風景です。