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「菓子よもやま話」

 いざ、お菓子を語ろうとすれば、お菓子屋さんの名前が出てくるし、映像も必要だし、なかなか勝手に出せないし、難しいと言う事がよく分かりましたので、先ずは「お菓子よもやま話」と言う事ではじめてみようと思います。

 徒然なるままに・・・

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水無月 ・・・と言う「お菓子」

 

 6月30日は、夏越祓(なごしのはらえ)、またの名を水無月祓(みなづきのはらえ)といわれる神事の行われる日です。夏越祓は、元々は、名越祓とよばれていたのが、6月30日が旧暦で夏の終わりの日にあたるので、夏越祓と字が変わったのだとか。古く飛鳥時代に始まったといわれる神事で、一年のちょうど中間点となるこの日に、神社の境内に作られた大きな茅の輪をくぐり、それまでの罪穢れを払い、残り半年の無病息災を祈願するものです。

 この日に水無月という菓子を食べる習慣が京都にあります。水無月は、外郎(ういろう)風の白い生地に、小豆を煮たものを散らし、三角形に切った菓子です。白い外郎は、暑気を払う氷室の氷をかたどっているとされています。上に散らされた小豆は、その赤色が悪霊払いの意味を持っているといわれています。また、蒸し暑いこの季節に、栄養分の多い小豆を食べて、夏バテを予防するといった健康上の知恵でもあるようです。

 京都の人は、この水無月を食べて、じめじめとした梅雨を乗り切り、祇園祭で本格的な夏を迎えるのでありましょう。

2013・06.29

写真は、インターネットの検索による「公表イメージ」

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葛菓子(くずがし)  2013・07・17

 

 夏の茶席菓子の代表的なものは、葛(くず)を使った葛菓子でしょう。葛菓子に使う葛は、葛の根からデンプン質を抽出し精製したもので葛粉ともいわれ、和菓子の材料では蕨(わらび)粉と並んで高価なものです。関西では、奈良県の吉野産の葛がよく使われています。葛粉を水で溶き、砂糖を加え火にかけて煉って生地を作り、あん玉を包んだり、型に流したりして茶席菓子となります。色や形の違いでデザインも豊富で、「岩もる水」「沢辺の蛍」「水中花」「滝のもみじ」「氷室」「水牡丹」など、やはり水にちなんだ銘がよくつけられています。

 葛菓子は、透明感のある見た目の涼しさと素材のうまみを楽しむ菓子で、本来は冷やして食べるものではありませんが、猛暑の時期には冷水などで少し冷やしてから食べるとひんやりとしていいかもしれません。ただし、長い時間冷やし続けますと、生地が白濁し硬くなって、葛本来の風味と食感がそこなわれてしまいますのでご注意ください。

写真は、インターネットの検索による「公表イメージ」

琥珀(こはく)     2013・08・02

 

 琥珀(こはく)は、琥珀糖あるいは琥珀羹(こはくかん)ともよばれ、寒天を煮溶かした液に砂糖などを加えて煮詰め、着色したり型抜きした羊羹などをあしらった夏向きの菓子です。もともと京都を中心とした関西での言い方で、現在では一般的に錦玉(きんぎょく)という名が通っています。

 京都の亀屋則克(かめやのりかつ)さんの有名な『浜土産』(はまづと)という琥珀の菓子。ハマグリの貝をあけてみると、中には浜納豆が一粒入った透明感のある黄金色の涼しげな琥珀。海のない京都の人にとって、潮の香りを感じさせるまさに海辺からのみやげもの。野趣あふれるなんとも風流な逸品です。二枚の貝殻の間に隙間なく琥珀を流し込む方法が秘伝とされているそうです。

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