10月(神無月)
10月は茶の湯では「名残り」と呼ばれ、昨年の初冬に使い始めた茶壺の茶も残り少なくなり茶の名残りが惜しまれる時季になります。茶室の中に寒ささえ感じるこの時季には、広間の茶室に限り「中置」と言 われる構えが見られます。中置の風炉は鉄で大振りの前欠き風炉が使われる事が多く、丸く押さえた灰に程よい間隔をあけて下から山に向かって火箸で筋をかき上げる「かきあげ灰」をし、なかなか風情のある趣となります。10月22日は、「尋牛斎宗匠」御命日です。
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啐啄斎宗左 (八代)件翁宗左
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父(如心斎・48歳)を早くに亡くした啐啄斎は高弟の川上不白、裏千家宗匠の叔父・一橙宗室らの手ほどきを受け、14歳で宗匠を継ぎます。そして同年、元伯宗旦の百回忌の席で茶湯を催すという大事をなしとげました。
啐啄斎45歳のときに京を焼き尽くした天明の大火が不審菴、表千家屋敷にも及び、啐啄斎の初期の活動についての史料が焼失。この大火で多くを失った啐啄斎でしたが、すぐさま精力的に活動を始め、早くも翌年には利休二百回忌の茶湯を盛大に催します。
宗匠を継ぐと「宗左」を名乗るのに加え、後嗣は「宗員」、隠居すると「宗旦」を名乗る伝統は、この啐啄斎に始まるといわれています。
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銀閣寺献茶式




足利義政造営による東山山荘、銀閣寺では毎年10月7日に献茶式行います。銀閣は、国宝建築であり、池泉回遊式の庭園とともに現存する東山文化の遺構として貴重です。白砂を段形に盛り上げた銀沙灘を前に本堂で献茶を行います。
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伊勢神宮献茶式




伊勢神宮は最高神として崇められる天照大神を祭り、正式名を「皇大神宮」と言います。正宮正殿は老杉に囲まれた20余段の石段奥に鎮座しており、切妻平入の「唯一神明造り」と呼ばれる日本最古の建築様式。
昭和24年に即中斎宗匠の奉仕により始められた献茶式は以来毎年10月10日に行われています。
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宇治茶祭献茶




鎌倉時代から明恵上人により栂尾から茶の栽培が伝えられて以来、宇治川の清水とともに天下の茶どころ、水どころとして栄え、宇治では10月の第一日曜日(不確定)に茶祭が行われています。宇治川の名水くみ上げにはじまり興聖寺にてその年の新茶の口切りと献茶、茶筅供養など式典が行われ、各所でお茶に関する催しが行われます。
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お花




お菓子




東大寺献茶式




天平年間に聖武天皇の詔により、全国総国分寺として建立された東大寺は、国宝指定の大仏殿はじめ、南大門、三月堂、二月堂ほか見ごたえのある建造物が立ち並ぶ境内を有し、毎年10月15日には大仏殿にて聖武天皇追慕と大仏奉賛の大祭を営まれ、表千家家元奉仕による献茶式が行われています。
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平安神宮献茶式




平安神宮は桓武天皇(第50代)から孝明天皇(第120代)まで歴代の天皇を祀ってある神宮で、毎年10月22日には京都3大祭の1つ「時代祭」が行われます。平安神宮では4年に1度10月19日に表千家奉仕にて献茶式が行われます。